読了日記(2021.03)
こんにちは。
桜も散りはじめ、あっという間に4月になってしまいました。
今回は3月の読了日記になります。
今月読んだのは全部で6冊で、内訳は以下の通り。
・小説 2冊
・その他 4冊
小説
今年は月毎にテーマを決めて読書をしてみよう、という目標の下で選書しています。3月のテーマは「児童書」でした。
モモ
www.iwanami.co.jp 不思議な少女、モモと時間どろぼうである灰色の男たちの物語。
ずっとタイトルと表紙は知っていて、いつか読みたいと思っていましたが、なかなか読むタイミングがありませんでした。しかし、このご時世となり何かと話題になっていることをきっかけに漸く読んでみよう、と思い立ちました。
対象年齢は小学校高学年となっていましたが、「時間」がひとつのテーマとなっていることもあり、少し難しいと感じました。きっと小学生の私が読んでいたら、ただの冒険物語で終わっていたかもしれません。 しかし、年齢を重ね、良くも悪くも経験を重ねた今の私だからこそ印象に残ったであろう部分もたくさんありました。
そのうちの一つがこちら。
人間はひとりひとりがああいう金色の時間の殿堂をもっている。それは人間が心をもっているからだって。ところが人間がそのなかに灰色の男を入りこませてしまうと、やつらはそこから時間の花をどんどんうばうようになるのだ。
この物語では灰色の男たちが意思を持って人間たちの時間を奪っていきましたが、現実世界でも似たようなことが起こっているのではないかと思います。
例えば、嫌いだったり苦手な人・もののことを考えて嫌な気持ちになること。これもある意味灰色の男たち(=苦手な人・もの)が時間を奪っているのではないか。そう捉えると嫌なことを考える時間が勿体無いなと感じるようになりました。
児童書、ファンタジー、という括りで片付けてしまわずに、幅広い世代の方々に読んでもらいたいし、数年後、自分の立場や考え方が変わったらまた読んでみたいと思える作品でした。
ムーミン谷の冬
キャラクターとして、ムーミンやミイのことは好きでしたが、まともにお話を読んだのは1回だけだということに気づいたので、これを機に読んでみました。
1回というのも、高校の英語の教科書に載っていた、顔が見えなくなったニンニという女の子のお話だったので、ムーミンが主人公となる長編を読むのは初めてでした。
読んでみると、それまで持っていたイメージとは違う印象を持ちました。不思議な世界観であるけれど、登場人物みんなどこか人間臭い。綺麗事ばかりじゃないし、みんな「心の底から善人」というわけでもない。読んでいる最中は今までのイメージが壊された気がして戸惑いましたが、少し時間を置き、改めて考えてみて漸く受け入れることができました。
これだけを読んで印象を結論づけるのも何か違う気がするので、他の作品も読んでからまた色々考えたいなと思います。
ムーミンに限らず、「キャラクターは知っているけど、話は知らない」ということは他にもありそうなので、思いつき次第読んでみるのも面白そうです。
その他
MOE 2021年3月号
モモを読もう!と思ったきっかけとなった雑誌。
こちらは発売された2月初旬には手にしており、目も通していましたが、モモ本編を読了してからの方がわかりやすい部分も多かったので、3月にもう一度読み返しました。
特に面白かったのはエンデの生前のロングインタビュー。作者の文学に対する考えを知ることができ、「はてしない物語」といった他の作品も読んでみたいと思いました。
ミヒャエル・エンデ『モモ』 2020年8月(NHK100分de名著)
こちらもモモに関する本。
放送していたことは知っていたのですが、観ていなかったため本で読むことにしました。
心理学的に解釈・解説した話が中心なので、エンデ自身が本当に意図したものかどうかはわかりませんが、腑に落ちる点も多く、心理学についてもう少し学んでみたいとも思いました。
一番興味深かったのはアクションのタイミングの話。
「主体的な意志ばかりだと空回りし、物事が勝手にそうなることを待っていると何も起こらない。その両方が合致する瞬間こそがアクションが必要なときである。」
これは普段の日常生活でも同じことが言えそうですが、そのタイミングを見極めるのは難しそうです。
本編、作者の話、第三者の解釈。色々な角度から物語をじっくりと楽しむことができました。
今までは物語だけを読んであれこれ考えてきましたが、このように読んでいくのも面白いな、と気づいたのも新たな発見でした。
るるぶ びじゅチューン!の旅
NHKで放送されている、美術をテーマにした番組で扱われた作品たちと収蔵されている美術館を特集したものです。
もともとこの番組が好きで、よく観たり歌を聴いたりしていたので、 自由に旅行ができるようになったときに実物を見に行けたらいいなと思い、手にしました。
子ども向けに解説もわかりやすく書かれているので、美術に詳しくない方でも読みやすいと思います。
国内にある作品の紹介のみなので、いつか海外版も出たら良いなと密かに期待しています。
【余談】
とてもキャッチーで耳に残る曲ばかりなのですが、一番有名なのはおそらく「何にでも牛乳を注ぐ女」。
解釈が予想の斜め上をいく感じがとても好きです。
ちなみに私が特に好きなのは「夢パフューマー麗子」と「雪中のフォーメーション<山>」。どちらも聴いた後はしばらく脳内に居座ります。
呪術廻戦 公式ファンブック
呪術廻戦に限った話ではないですが、作者が関わって作成された公式ファンブックを読むのが好きです。
言葉や設定が難しいのもあり、一度ではなかなか理解できなかったので、漫画も読み返しつつ、こちらを読み返していきたいと思っています。
ちなみに同時発売された15巻は展開が辛すぎてまだ読めていませんが、16巻が発売されたら一気に読みたいと考えています。
おわりに
以上、3月の読了記録でした。
下旬はなかなか物語を楽しむ気にはなれなかったので、小説は少なめでした。少しずつ元気になってきたので、また色々読んでいきたいところです。
そして4月の読書テーマは「積読消化」にします。
読みたいと思って買ったはいいものの、読めていない本が本棚に着実に増えてきているので、新しい本を手にするのではなく、ここで一回消化しようと思います。
そこそこあるので、全て読むことはできないとは思いますが、とりあえず減らしていきたい所存です。
それでは今回はここまで。
読んでくださりありがとうございました。