読了日記(2021.02)


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こんにちは。

あっという間に2月が終わろうとしています。

暖かい日があったり寒い日があったりしますが、いかがお過ごしでしょうか。

 

今回は2月の読了日記になります。

 今月読んだのは全部で6冊で、内訳は以下の通り。

・小説  2
・その他 4冊

 

 

小説 

今年は月毎にテーマを決めて読書をしてみよう、という目標の下で選書しています。今月のテーマは「怪人と探偵」の予定だったのですが、幅を広げて「ミステリー」にしました。

そして誰もいなくなった

www.hayakawa-online.co.jp

 

「流石、不朽の名作と言われているだけあるな」というのが読み終えた最初の感想でした。

悪天候の孤島という、閉じられた世界で次々と殺されていく……。その展開がちょうど良いスピードで描かれており、一気に読んでしまいました。

何を話してもネタバレになってしまいそうな気がするので、詳しい感想をここに書くのは控えますが、視点がコロコロ変わったり、場面展開が頻繁に行われている点も、作者が戯曲なども書いていることを知って納得しました。

読みながら「あの作品はこれ(そして誰もいなくなった)をオマージュしたのかな」と思われる漫画や小説を思いついたので、 やはり名作なんだと実感もしました。

 

(余談)

アガサ・クリスティーの名を聞くと、真っ先に思いつくのは高校時代に使っていた単語帳に出てきた失踪事件のはなし。夫との生活に嫌気がさし、車を茂みに突っ込ませて消息を絶つ、というような話で、とても衝撃を受けたのを覚えています。

彼女の作品で他に有名なのは、ポアロやミスパープルのシリーズ。こちらも今年中に読んでみたいです。

 

少年探偵団

www.shinchosha.co.jp

 

シリーズ第二作。11月に読んだ怪人二十面相の続編です。

このシリーズは何とも言えない冒険心をくすぐられる気がしていたのですが、語り手が読み手に話しかけるような書き方だからなのかなと気づきました。

シリーズはまだ続くので、サクッと何か読みたいなと思ったときにでも読みたいと思います。青空文庫にもなっているようなので。

 

その他

標本バカ

bookman.co.jp

国立科学博物館で研究員をしている著者が雑誌で連載しているエッセイを本にまとめたもの。読むと上野にある博物館に行きたくなります。

この本を知ったのは後述の本の著者がきっかけだったのですが、エッセイ集で読みやすそうだったのでこちらを先に読みはじめました。二段構成かつ300ページ超なので読むのに時間がかかりましたが、知らない世界を覗き見ることができて面白かったです。

印象に残った言葉はこちら。

「わかっていない」ことというのは「すでに誰かが気づいた謎」だ。

この世界には「謎」だということに気づかれてもいないことがまだまだたくさんあるのかもしれない、ということに気付かされてとてもわくわくしました。

また、この本を読んで初めて知った「3つの無」という言葉。

「無目的」「無制限」「無計画」、将来のためにも博物館や美術館での収集はやめてはいけないと改めて実感しましたし、そのために自分が可能な限り、こういった活動の応援をしていきたいです。

 

キリン解剖記

www.natsume.co.jp

幼少期からキリンが好きで、キリンの研究で博士号を取得した著者の大学入学から論文を発表するまでを綴ったエッセイ。キリンの体の仕組みを知ることができ、読了後は動物園に確かめに行きたくなりました。

実はこの本を読んだとき、良い感情と悪い感情の両方を持ちました。コンプレックス、と一言で済ませてしまうには少し難しく、でも僻みには間違いない感情の行き場に少し戸惑いました。「好きなこと」や「やりたいこと」を仕事にできるのはすごくうらやましいけど、それを達成するまでには大変なことがたくさんあっただろうし、途中で諦めないでいることは本当すごいなとも感じました。

 

BRUTUS 2021 1/1・15合併号

www.fujisan.co.jp

「世の中が変わるときに読む本」がテーマ。知らない本だらけで、読みたい本リストが大幅に更新されました。いつもは本屋に行き、タイトルや装丁に惹かれるものを読むことが多いのですが、こうやって誰かが紹介されている本を読んでいくのも面白いかもしれないなあと思ったので、少しずつ読んでみたいと思います。

 

(余談)

誰かに本をすすめる/られることって難しいな、と最近感じています。自分の好みや読書のスタンスが相手と同じかどうかわからないですし、押し付けになってしまわないか不安だからです。感想を話し合うのは楽しいですが、考えの押し付けや、感情のぶつけ合いになってしまうのは避けたいので……。

 

 

友だち幻想 ー人と人との<つながり>を考える

www.chikumashobo.co.jp

先に言っておきますが、長くなります……。

先月分の読了日記で「自由」ついての部分を読んだときにとある文章を思い出した、と書きましたが、この本のことです。

結論から言うと、「読んでよかった」の一言に尽きます。中高生を対象に書かれていますが、大人である私が読んでも色々考えたり、納得したりする部分がかなりありました。

印象に残った部分はたくさんあるのですが、そのうち二つをご紹介します。

現代社会において基本的に人間は経済的条件と身体的条件がそろえば、一人で生きていくことも可能だ。しかし大丈夫。一人で生きていけると思い込んでいても、人はどこかで必ず他の人々とのつながりを求めがちになるだろう。

この部分を読んで「確かに」と感じ、「だから人(主に私のことですが…)は匿名でSNSをやるんだな」と腑に落ちました。最初に読んだときは「必ず」は言い過ぎではと思いましたが、「どこかで」という言葉が入っていることに気づき、その「どこか」は学校や職場、家だけじゃないところ(ネットや趣味の場)などを肯定している気がしました。これは「人は一人でも生きていけるか」の問いに対する筆者の答えなのですが、本当にその通りかもしれません。誰しも少なからず承認欲求を持っていて、それをどの場で欲するかは人それぞれなのかもしれないなと考えさせられました。

 

続いて二つ目。

クラスで本当に「こいつは信頼できるな」とか、「この子といると楽しいな」という、気の合う仲間や親友というものと出会えるということがあれば、それはじつは、すごくラッキーなことなのです。そういう友だちを作ったり出会えたりすることは当然なのではなくて、「とてもラッキーなこと」だと思っていたほうが良いことは多いような気がします。

ここを読んで学生時代の自分が救われたような気がしました。中学→高校→大学→社会人と段階ごとに環境がガラリと変わることが多く、長い付き合いの友人が少ないことに対して引け目を感じていました。また、「親友」がいることへの強い憧れと、友人が少ないことに対する劣等感みたいなものをずっと抱えていました。しかしこの文を読んで、「ラッキーなことなら別にいないのが普通だったりするのかな」と思うと気持ちが大分楽になりました。

 

この本、とある芸人さん(今は作家のイメージが強いでしょうか…)が紹介されていたのは知っていたのですが、読もうと思ったことは正直ありませんでした。しかし芋づる式に記憶が引き出されてきたときに、この本の一文を思い出し、何の本だったんだろうと調べた結果、こちらの本だったということがわかりました。

とある文章にまつわる記憶もいつかお話しできたら良いなと思っています。

 

おわりに

以上、2月の読了記録でした。

前半はかなりのハイペースで読んでいたのですが、後半は失速気味でした。

ミステリーも久々に読み、楽しむことができたので少しずつ読むジャンルを広げていきたいです。

そして3月の読書テーマは「児童書」にすることにしました。

先月読んでいたゲド戦記の続きの他にも、読みたい児童書がいくつかあったので、こちらのテーマにしました。読みたい本が5冊ほどあるのですが、果たして全て読むことができるのでしょうか……。

3月も花粉から逃げるように読書に勤しみたいと思います。

 

それでは今回はここまで。

不安定な気候が続きますが、皆さまご自愛ください。

 

 

 

【おまけ】

最近、読書の仕方が変わってきました。

今までは読むことに重きをおいていたので、感想を聞かれてもパッと出てこないことが多かったのですが、最近は答えられるようになってきました。読了日記は内省にもつながっているのでこれからも続けていきたいなと思っています。